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ストーカーを理解する
日本でも一般的になってきたストーカー問題。
今回はこのストーカー問題について考えてみます。
ストーカーにはタイプがあります
一口にストーカーと言っても、実は数種類のタイプに分類できます。
大別すると以下のようになります。
■ 恋愛ストーカー
恋愛関係のもつれ、勘違いによる恋愛妄想、片思いなど
■ 芸能ストーカー
いわゆる「おっかけ」の度を越したもの
■ 職業ストーカー
探偵や芸能カメラマンなど
被害者にとってもその理由が明確です
現実のストーカー問題の中では、「恋愛ストーカー」が多くを占めます
ストーカーは多くの場合、恋愛のもつれが原因です
ストーカー問題の多くを占める「恋愛ストーカー」。
別れ話のもつれや、勘違いによる妄想恋愛、度を越した片思いなど様々な要素が考えられます。
しかしストーカー行為初期には、ほぼ共通する欲求があります。それは「対象と連絡がとりたい」という、ただそれだけの気持ちです。それは電話やメール、もしくは手紙でも構わないでしょう。
その「連絡がとりたい」といった気持ちが芽生えるのは例えば別れ話の直後など、ごく初期の段階です。
ところがその時の状況や被害者の心理状態などから音信不通になる。例えば電話を一切とらない、メールの返信がない、居留守を使うなどです。この時、ストーカーは「人間として扱われていない」という現実に悲嘆します。それが好意を寄せている人からの仕打ちであればなおさらです。
ここで、どうにかして連絡をとろうと必死になります。
いわゆるストーカーが誕生するわけです。
ストーカーは被害者が育てます
どうしても伝えたい事や聞きたい事があるのに、話をする事さえも許されない状況がストーカーを成長させます。
ここでストーカーは許されるだけの時間とお金を使い、被害者と連絡をとる方法を模索します。そのためだけに、ストーカーは全身全霊を捧げます。
しかし、この段階でストーカーはまだ悪意を抱いてはいません。
ストーカーは変化します
肉体的、精神的、経済的に追い詰められたストーカーは、次第に被害者に対して悪意を抱くようになります。
被害者から人としての扱いを受けないばかりか罵倒雑言を浴びせられる、被害者の知人や家族などが力による威嚇を行う、公的権威による威嚇や拘束を行うなど、きっかけは様々です。
ストーカーは、ほとんどが正常な精神の持ち主です
これまで取上げてきた「恋愛ストーカー」の場合、大部分の加害者が健全な精神の持ち主です。映画やドラマのような精神異常者によるストーカー行為は、ここ日本ではそう多くはありません。
ストーカー初期段階で話が出来ていれば、人ととして扱われていれば、理不尽な威嚇や脅しを受けなければ、本人はそれなりに納得して「失恋」ができたのです。
「話せばわかる」という状態はストーキング過程全般に対して言えます。
恋愛ストーカーは、加害者だけの問題ではありません
このように、恋愛ストーカーに対しては「被害者による初期対応」が非常に重要になってきます。
○ 好きで好きでたまらない人から人間として扱われなかった
○ 好きで好きでたまらない人と理由なしに音信不通になった
あなたがそんな仕打ちを受けたらどう感じますか?
一般的なストーカー対策の問題点
一般的なストーカー対策の中で、特に厳禁としなければならない行為を紹介します。
一般的に良く聞かれるストーカー対策の中には
○ 力による威嚇
○ 権威による強制拘束
などがあります。
これは特に女性などがとりやすい手段です。
○ 力による威嚇
知人の頼もしい男性や親戚などに一緒にいてもらったり、ストーカーと交渉してもらうなど。いわゆる「脅す・怯えさせる」事で問題を解決しようとする事。
○ 権威による強制拘束
警察などの機関を使用し逮捕、拘留する事。
「力による威嚇」は一時的に効果があるかもしれません。しかし、ストーカーにまで成長してしまった加害者はそんな事では納得できませんし、ストーキングをやめる理由とも考えません。このような対処をすると、ストーカーの「好意」が「敵意」に変える手助けをしているようなものです。多くの場合、この段階でストーカーは被害者を敵視するようになります。また、それに関わった関係者も敵と考える傾向があります。ストーカーを撃退するどころかさらに成長させ、被害者(ストーキング対象者)を増やす結果となるのです。
このように危険なので「力による威嚇」は可能な限り避けましょう。
「権威による強制拘束」はいわゆる「逮捕」によって加害者を拘留する事です。ところが多くの場合、加害者は精神的にも正常です。正常な人間が、好きな人から人間的な扱いを受けないばかりか刑務所に拘留され、精神異常者として過酷な期間を過ごすのです。その間に「好意」が「絶望」となり、次第に「敵意」を抱き、最終的には「殺意」にまで変化する事も想像に難くありません。そして、加害者はどのような事があっても必ず釈放され、自由の身になるのです。
最後に
ストーカー対策の基本であり、唯一の解決策は「話し合い」です。話し合いや説得によって、本人の意思によるストーカー行為の終結。これが理想的な解決法です。
もちろん目前に身の危険が迫っている場合は、被害者の安全がなによりも優先されます。しかし、ストーカー初期の段階ではストーカーに対する対応が非常に重要です。
ストーカー対策は慎重に行うべきでしょう。
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